仏様のお名前


お堂をめぐると、ほとんどが石の仏様です。木造の仏様はめったにありません。

どれも素朴な作りで、正直なところ、当初、釈迦如来やら阿弥陀如来やら、僕にはわかりませんでした。

そこで、いろいろな本を見てみたのですが、本と石仏があまり一致しないのです。仕方ありません、羅列して、そこから何らかの法則を探ってみようと思います。四国八十八箇所の本尊をもとにした「八十八体仏」をサンプルとして並べてみました。

台石と本体がずれているケースが多いのです。注意注意!!

 

※素朴な石仏は、細かい工作ができず、指の形などを表現することができません。

 


大日如来

大日如来には、金剛界大日と胎蔵大日の二種類があります。どちらも、頭に宝冠を戴いています。

印相という手の形や指の組み合わせで、二種類を見分けることができます。

忍者が忍術をかけるようなのが、智拳印。

両手を手のひらを上に、組んだものを、法界定印。これが、胎蔵大日。

しかし、必ずとも一致しないのです。

私の観察では、ほとんどが智拳印という忍術ポーズでした。

 

 


大日如来さん達


釈迦如来

石仏のポーズのみから、釈迦如来を判断してみます。

右手をあげて、手のひらをこちらに向けます。

左手は、下にして、何かを載せれるような感じで上を向きます。

左側の、絵図のポーズです。

 


釈迦如来さん達


阿弥陀如来

 三井四国のほとんどの阿弥陀様は、メガネマーク。この手で作ったメガネマークを判別材料にしていいと思います。メガネマーク弥陀定印です。

 


阿弥陀如来さん達


不動明王

この仏様は、分かりやすい。とにかく怖い方です。

右手のは、

左手に持つのは・・・羂索

けん‐さく【羂索】

《「羂」はわなの意で、もと、鳥獣をとらえるわなのこと》5色の糸をより合わせ、一端に環、他端に独鈷杵(とっこしょ)の半形をつけた縄状のもの。衆生救済の象徴とされ、不動明王・千手観音・不空羂索観音などがこれを持つ。

だそうです。

なんと言っても、火焔光背。これで決まりかな!


不動明王さん達


聖観音菩薩

 右手を上げて、左手には蓮華。でも、田んぼにあるレンゲではなく、ハスの花。このハスの花も、開いたものもあれば、つぼみのものもあります。

左に挙げた、川北道中案内の観世音菩薩のポーズとは、あいません。

 

 


聖観音菩薩さん達


千手観音菩薩

 左の絵のように、どれも手は合掌。そして、体の左右にギザギザ模様がついています。このギザギザ模様が、千の手ということですね。見逃しがちです。

 


千手観音さん達


十一面観音菩薩

 よ~くみると、頭に、まるで花飾りのようなものをかぶっています。実は、これは小さな顔なのです。顔がいっぱいで十一面観音様です。

 


十一面観音菩薩さん達


虚空蔵菩薩

右手に剣。(本によると、焔光を放つ剣だそうです)

左手には、如意宝珠というお団子のようなもの。このお団子は、ウキによると、「意のままに願いをかなえる宝」というものだそうです。ホシイ!

 


虚空蔵菩薩さん達


地蔵菩薩

お地蔵様です。お地蔵様も「◯◯地蔵」と、色々な方がいらっしゃるようです。右手に持つ棒は、錫杖というツエ。左手には、宝珠。

 


お地蔵さん達


文殊菩薩

 智慧の神様。いや、仏様です。智慧とは、「物事の筋道がわかり、うまく処理して行ける能力」だそうです。へ~。

右手には智剣左手には宝珠を載せた蓮華、または経巻」だそうですが・・??

 


文殊菩薩さん達


馬頭観音菩薩

怖い顔をしています。三面で、たくさんの手でマサカリなどを持っているようです。

本来は、馬の頭がついているのですが、石仏では、そこまで細かく刻むことができないようです。

それから、手は馬口印という組み方をしています。五郎丸選手のキックのときのおまじないかな?

 

 

日本石仏教会 石仏巡り入門より



弥勒菩薩

両手で、宝塔を持っています。薬師如来の薬壺より大きいと思います。

この特徴で80%程は、弥勒菩薩と判断していいと思います。


弥勒菩薩さん達


毘沙門天

怖い顔をして、右手に棒か剣。左手に宝塔

う~ん、決定打にかけるな~

虚空蔵菩薩と区別がつけにくい。ポイントはどこだ?


毘沙門天さん達


大通智勝仏